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四半世紀後の2万キロ・第8章
路線名
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都道府県
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現在の運営会社
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宮脇氏の乗車日
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tko.mの乗車日
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「尼崎港線」
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兵庫県
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廃止
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1976.7.3
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未乗
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「東羽衣線」
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大阪府
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JR西日本
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1976.7.4
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2000.5.5
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角館線
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秋田県
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秋田内陸縦貫鉄道
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1976.7.17
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1998.10.11
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矢島線
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秋田県
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由利高原鉄道
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1976.7.17
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未乗
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阿仁合線
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秋田県
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秋田内陸縦貫鉄道
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1976.7.17
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1998.10.11
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巧い−。久しぶりに第8章を読み返して、そう思った。
大阪と秋田という、一見突拍子もない組み合わせである。青梅線や予土線等、記述が省略された路線も本書にはいくつかある。それなのになぜ、大阪2線の乗車記は第8章に収まったのだろう。謎といえば謎ではある。
話は6月25日、宮脇氏が来週の急行「津軽」1号の指定券を買いに行こうかとそわそわしている場面から始まる。氏が金曜にそわそわしているのは毎週の事であって、あえてもこの箇所で書かねばならぬ話ではないはずだが、とにかくそうしている所に、失念していた来週の旅行の指定券が届けられる。翌週若狭へ赴いた氏は帰途大阪へ立ち寄り、半月後いよいよ「津軽」1号に乗り込む。秋田県内の3線を無事に乗り終え、そして−
ああそうか。そこで僕は膝を打った。第8章は、切符の話だったんだ。
阿仁合線を乗り終えた宮脇氏は、ついでに黒石線(青森県)を片付けてしまおうと欲を出す。旅慣れた氏は、青森駅のキャンセル専用窓口ならば、必ず希望通りの寝台券を入手できる事を知っている。ところが奥羽本線のダイヤが乱れ、黒石線の終列車には間に合わない事が判明した。鷹ノ巣から上野へ直行する「あけぼの」はおろか、わざわざ青森まで回ってみても寝台券は入手できない。
仕方なく「ゆうづる」のグリーン車で氏は帰京する。筆致は例によって淡々としているが、それゆえに旅の締めくくりを滅茶苦茶にされた氏の、憮然とした表情が伝わってくるようで面白い。と同時にこの失敗は、「沿線の景観はわかっている」と未乗線区に夜間に乗ろうとした傲慢さと、「望みどおりの券が入手」できるという過信に対する因果応報でもあって、どこか粛然とさせられる。
このラストのためにこそ、若狭・大阪紀行は必要だったのである。四六時中切符のことを考えているかのような職場での有様を開陳するのは、青森での失敗への伏線だったのである。北海道編と九州編に挟まれた短い本章のなかに、それだけの計算が仕組まれていた事に僕は驚愕した。
以上の解釈は僕個人の妄想でしかない。実際に宮脇氏がどのような面持ちで筆を振るったのか、今となっては知る術はもちろん無い。が、とにかく感心してしまったので僕はそう思い込む事にしておきたい。
さて、角館・阿仁合線こと秋田内陸縦貫鉄道といえば、僕にとって思い出されるのは「拾圓切符」である。
平成の最初の約10年、全国各地の鉄道はゾロ目等の日付にちなんだ記念切符が発売されていた。今にしてみれば何が面白いん
だろうと言う気もしないではないが、10-10-10、平成10年10月10日もそんな「特殊日」の一つで、秋田内陸縦貫鉄道でも記念切符が発売された(10/11までの2日間有効)。
その名も「拾圓切符」。乗車区間問わず全線10円、という破格商品である。この鉄道、営業距離は94.2kmもある。通常運賃1,620円・急行料金
320円(17年3月時点)の全線を乗り通しても、10円。発売枚数や発売箇所の制限も無く、ホントのホントに10円だったのである。
月給取りにはなっていたが持ち前のケチな性分はそのままだった僕は、もちろん出掛けた。そして後悔した。物凄い混雑だったのである。長蛇の列・スシ詰めの列車、もちろん全線2時間以上立ち通し。合川付近の美林や松葉付近の鄙びた佇まいが印象に残りはしたが、終着角館に付いた時点でさすがにグッタリした。安いからってなんでも飛びついちゃいけないなぁと反省もしたし、大汗をかいて乗客をさばいても全く儲けにならない内陸線の社員が可哀相になったりもした。もう1度、ちゃんと乗りに来ようと決心したのは当然の帰結である。
ところで、第8章の中でピンポイントに記憶に残る名言?として「美人三十%」がある。宮脇氏は秋田美人の多さにほとほと感心したようで、6年後に編集者やカメラマンを伴って阿仁合線を再訪するが、お目当ての女子高生は春休みの真っ最中だったと言うオチがつく(「終着駅へ行ってきます」所収)。僕が乗った時にはどうだったかと言えば、「拾圓切符」目当てのマニアや中高年(やはりこういう所にはオバサンが大挙して現れる)ばかりで確認する余裕も無かった。数年後に再訪した時の印象は、ここには書かないでおこうと思う。
氏も言う通り、「さしさわりがあるので書きたくない」のである。
(つづく)
2005.3.13
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